「リフレックス」(一般名:ミルタザピン)は、うつ病の治療に用いられる抗うつ薬で、NaSSA(ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬)に分類されます。長期間の服用によってうつ病の症状が安定する人が多い一方で、長期使用にはいくつかの注意点やリスクもあります。
リフレックスを長期服用する場合の主な危険性
1. 体重増加・代謝異常
- 食欲が増進する副作用が強く、長期的にみると肥満や糖尿病リスクの増加が懸念されます。
- 脂質異常(高コレステロール・高中性脂肪)も報告されています。
2. 過鎮静・日中の眠気
- リフレックスは強い鎮静作用を持つため、日中の眠気・集中力低下が長く続く場合があります。
- 特に高齢者では転倒のリスクが増すことも。
3. 離脱症状(中止・減薬時)
- 長期間服用後に急に中止すると、不安・不眠・めまい・イライラなどの離脱症状が起こることがあります。
- 減薬や中止は医師の指示のもと、徐々に行う必要があります。
4. 薬効の減弱(耐性)
- 長期間使ううちに**効果が薄れる(耐性がつく)**ことがあります。
- その場合は他剤との併用や変更が検討されます。
5. 認知機能への影響(特に高齢者)
- 長期使用により、記憶力や判断力の低下が生じる可能性も。
- 抗コリン作用は弱い薬ですが、高齢者は注意が必要です。
6. 双極性障害の見逃し
- うつ病だと思ってリフレックスを投与したが、実は双極性障害だった場合、**躁転(気分が異常に高揚する状態)**を引き起こす危険があります。
長期使用のメリットとバランス
リフレックスは、不眠や食欲不振を伴ううつ病に対しては特に有効です。長期間服用しても副作用が少なく、安定した状態を保てている人も多くいます。
医師と定期的に相談を
- 血液検査(肝機能、血糖値、脂質)や体重測定などを定期的に行い、副作用の早期発見を心がけましょう。
- 「もう治ったかも」と自己判断でやめるとリバウンド(再発)しやすいので、減薬や中止は必ず医師の指導のもとで行ってください。