旧ドゥニームの年代の見分け方|オリゾンティ期の特徴と色落ち

国産レプリカジーンズの歴史を語るうえで欠かせないブランド、DENIME(ドゥニーム)。なかでも初期の運営会社「オリゾンティ」に関係する製品は、現在も「旧ドゥニーム」として古着好きの注目を集めています。

ただし、中古市場では「90年代」「XXタイプ」「66タイプ」と表記されていても、製造年やモデルを裏付ける資料が見つからないことがあります。革パッチのロゴだけで年代を判断しないことが大切です。

この記事では、実物のオリゾンティ期W30を中心に、内タグ・ボタン・股リベット・セルビッジ・実寸・色落ちを写真で確認します。加えて、新たに入手した濃紺W29と股リベット付きW30から分かった違いにも触れます。3本を並べた詳細比較は別記事としてまとめる予定です。

なお、3本とも正確な製造年と「XX」「66」などの正式モデル名は未確定です。現物で確認できる事実、所有者による採寸、一般的な背景知識を分けて記録します。

旧ドゥニーム・オリゾンティ期の色落ちしたW30。本文で詳しく観察する個体。
旧ドゥニーム・オリゾンティ期の色落ちしたW30。本文で詳しく観察する個体。

旧ドゥニームとは?オリゾンティ期の位置づけ

DENIMEは1988年にスタートした日本のデニムブランドです。ヴィンテージジーンズに学んだ生地・縫製・シルエットへのこだわりを通じて、日本のレプリカジーンズ文化を築いてきました。

ブランドの運営史を見ると、オリゾンティ時代の後、2005年にシンズによる運営に移っています。そのため「オリゾンティ期」はおおむね創業から2005年頃までを考える際の目安になります。ただし、販売・在庫・製造のタイミングが異なる可能性もあるため、内タグの表記だけで製造年を一年度単位で特定することはできません。

「旧ドゥニーム」という呼び名にも統一された定義はありません。初期オリゾンティ期に限って用いる人もいれば、シンズ期まで含める人もいます。記事や出品文では、あいまいな「旧」だけでなく、確認できた会社名や仕様を具体的に書くのが確実です。

ブランド公式の歴史でも1988年の創業が紹介されています。近年には初期の製法を研究した製品も展開されているため、「古そうなパッチ=初期製」とは判断できません。

まず確認したい年代判別のポイント

1.品質表示の「ORIZZONTI」

既存W30の品質表示。オリゾンティ表記を年代調査の手がかりにする。
既存W30の品質表示。オリゾンティ表記を年代調査の手がかりにする。

最初に確認したいのは、裏側の品質表示タグです。本文で紹介するW30には「ORIZZONTI」の表記があります。新たに入手した濃紺W29にも「MADE IN JAPAN」「ORIZZONTI」の表示が確認でき、別のW30にも同様の表記が見られます。

この表記はオリゾンティが関わる時期の商品であることを示す有力な手がかりです。しかし、タグだけで「1990年製」「1998年製」といった具体的な年を断定することはできません。

タグは擦れて判読しにくくなったり、前所有者が切り取ったりしている場合もあります。タグが残る個体なら、文字・素材表示・サイズ表示を写真に記録しておくと、後から照合しやすくなります。

2.Dnmロゴのレザーパッチ

ウエスト後部に付くDnmレザーパッチ。ロゴ単体では製造年やモデルを確定できない。
ウエスト後部に付くDnmレザーパッチ。ロゴ単体では製造年やモデルを確定できない。

ウエスト後部には、大きな「Dnm」の文字が入ったレザーパッチがあります。革の色やロゴの濃さ、ひび割れや擦れ具合は個体ごとに異なり、古着ならではの見どころです。

一方、Dnmロゴ入りのパッチは特定の製造年だけに限定された証拠ではありません。同じような意匠のパッチを持つ製品があるため、パッチだけを根拠に「オリゾンティ期」「XXモデル」と決めつけるのは避けたいところです。

オリゾンティの内タグ、フロントボタン、バックポケット、股リベット、裾の縫製を総合して判断します。旧製品に詳しい販売店の説明も参考になりますが、年代やモデルを断定する際は当時のカタログ・品番など一次資料との照合が理想です。

3.「UNION MADE」「SANFORIZED」の織りタグ

DnmのUNION MADE/SANFORIZEDタグ。取り付け位置も記録したいポイント。
DnmのUNION MADE/SANFORIZEDタグ。取り付け位置も記録したいポイント。

このW30には「Dnm」「UNION MADE」「SANFORIZED」の織りタグが確認できます。UNION MADEは昔のアメリカンワークウェアを思わせる意匠で、SANFORIZEDは一般に防縮加工を表す語です。

ただし、タグの文言だけで実際の縮率や加工条件までは証明できません。中古で購入する際には、購入後の洗濯やサイズ変化も考慮し、表記インチより平置き実寸を優先しましょう。

今回入手した濃紺W29にもUNION MADE Dnm Sanforizedのタグがあり、類似点として確認できました。取り付け位置の差だけで別モデルだと判断せず、複数の仕様を合わせて記録します。

4.ボタンフライと股リベット(クロッチリベット)

Dnm刻印入りのボタンフライ。股部分のリベットの有無は個体ごとに確認する。
Dnm刻印入りのボタンフライ。股部分のリベットの有無は個体ごとに確認する。

旧ドゥニームの各個体には、Dnmロゴ入りボタンを使ったボタンフライが見られます。ここで注意したいのが、フライ最下部近くに取り付けられる股リベット(クロッチリベット)です。

この記事で主に紹介している色落ちW30は、確認した範囲では股リベットがありません。一方、新しく入手した別のW30には、股部分に金属リベットが付いています。つまり、少なくとも手元のオリゾンティ表記個体には仕様の異なるものがあります。

もっとも、股リベットの有無だけでXXタイプ・66タイプ・製造年代を一意に決めることはできません。股リベットがないという一点だけで「66モデル確定」とするのは不正確です。バックポケットのタブや形状、当時の資料などと照らし合わせる必要があります。

5.セルビッジと裾の縫製

裾のセルビッジと縫製を確認。耳の色やステッチのみで年代を断定しない。
裾のセルビッジと縫製を確認。耳の色やステッチのみで年代を断定しない。

アウトシームの端にはセルビッジが確認できます。折り返した裾から見える耳や縫製は、レプリカジーンズ好きにとって重要な観察ポイントです。

以前の記事では「赤耳セルビッジ」という見出しを使っていましたが、写真だけで赤いラインが確実に読み取れないため、ここでは「セルビッジ」という表現に改めました。白い耳・色付きの耳の判定は、照明の影響を避けた拡大写真で確認するのが確実です。

チェーンステッチの有無、裾上げ歴、裾のパッカリングもあわせて見ると参考になります。ただし、裾の縫製は購入後に変更されている可能性があるため、工場出荷時の仕様と即断しないことが重要です。

実物W30のサイズ感とシルエット

既存記事で紹介してきた色落ちW30の平置き実寸を、元の採寸記録に沿って整理します。これは新たに入手した股リベット付きW30とは別の個体です。

項目既存の色落ちW30
サイズ表記W30
ウエスト(平置き)約37cm
股上約27cm
ワタリ幅約29cm
裾幅約21cm
股下未計測・本文では断定しない

※上記は元記事に記録した実寸です。平置き37cmは単純に2倍すると約74cmですが、実際の着用感は測り方や生地の伸び具合でも変わります。

ワタリ約29cm、裾幅約21cmの数値からは、極端に細いスキニーではなく、比較的自然なストレート系のシルエットと考えられます。ただし、穿いた状態のシルエットは股上・股下や体型によって異なります。

既存W30の全体シルエット。着用歴によって生じたシワと色落ちも観察できる。
既存W30の全体シルエット。着用歴によって生じたシワと色落ちも観察できる。

追加で確認したW29・W30との実寸差

参考として、別途入手した2本の実寸も示します。3本の実物比較を読みたい方のための概要であり、ここでは各モデルの同一性までは決めつけません。

部位濃紺W29股リベット付きW30
ウエスト平置き35cm37cm
股上28cm28cm
ワタリ29cm29cm
股下82cm72cm
裾幅20cm21cm

同じドゥニームの近いサイズ表記でも、股下の長さには大きな差があります。股下72cmのW30は裾上げされている可能性もありますが、元の販売時の丈が確認できないため断定しません。数値はすべて各個体の実測値です。

旧ドゥニームの色落ち|実物W30を観察

旧ドゥニームを選ぶ理由の一つが、穿き込まれたデニムの色落ちです。同じブランドのジーンズでも、着用頻度・洗濯・体型・仕事や日常動作によって色の残り方は大きく変わります。

太ももの縦落ち

太もも部分の色落ちとインディゴの濃淡。光の当たり方で見え方が変わる。
太もも部分の色落ちとインディゴの濃淡。光の当たり方で見え方が変わる。

太もも周辺には、縦方向に細かな濃淡が生まれています。一面が均一に薄くなったのではなく、濃い場所と明るい場所が入り交じっているため、デニム生地の表情がよく分かります。

縦落ちの見え方は糸や染色、織りの特性だけで決まるものではありません。着用による摩擦や洗濯の影響も大きいため、外観だけで特定のオンスや年代を決めることはできません。

ヒゲ・膝裏のアタリ

股周辺には脚の動きで生じたシワに沿った濃淡が見られます。一般にこうした線状の色落ちは「ヒゲ」と呼ばれます。膝裏の折れ目に沿ってできる色落ちは「ハチノス」と呼ばれますが、写真によっては単なるシワと区別しにくい場合もあります。

古着では、前所有者がどの程度穿き込んだかを正確に知ることは難しいものです。そのため、「何年着用した」「何回洗った」などの履歴は根拠がなければ書きません。

バックポケット周辺の色落ち

バックポケット周辺の色落ちと縫製。ポケット形状もモデル比較の手がかり。
バックポケット周辺の色落ちと縫製。ポケット形状もモデル比較の手がかり。

バックポケットの縫い目や周辺の生地には自然な濃淡が生まれています。財布などの持ち物を入れる習慣があるとポケットのアタリが変わることもありますが、この個体の使われ方は分かっていません。

ポケット上部の縫製、角の補強、ブランドタブの位置なども写真に残しておくと、後でほかの個体と比較しやすくなります。実際、新しく入手した股リベット付きW30には黒いDnmタブがあり、濃紺W29では同じ位置にタブを確認できません。

XXタイプ・66タイプはどう見分ける?

ドゥニームにはXXタイプや66タイプを含む複数の定番モデルがあります。一般にはXXタイプがゆったりとしたヴィンテージ系、66タイプが比較的すっきりした形と紹介されますが、時期による違いや個体差もあります。

今回の色落ちW30について確認できるのは、オリゾンティの内タグ、Dnmパッチ、ボタンフライ、UNION MADEタグ、セルビッジ、股リベットが見当たらないことなどです。それだけでは正式なモデル名を確定できません。

新たに入手した2本を含めると、股リベットだけでなくバックポケットのDnmタブにも違いが見つかりました。これは仕様の差があるという観察結果であり、現時点では「どちらが古い」「別モデル確定」という結論ではありません。

後日、3本を同じ条件で並べた実物比較を別記事にまとめます。公開後は、この記事から比較記事へ内部リンクを設定すると、年代判別の基本情報と具体的な仕様比較を行き来できる構成になります。

中古で旧ドゥニームを買うときの確認事項

中古で買う場合は、商品説明の「旧ドゥニーム」「90年代」「XX」などの表記をそのまま信じるのではなく、写真で確認できる根拠を優先しましょう。特にオリゾンティ表記の品質タグは有力ですが、それだけで製造年までは分かりません。

実物を見るときは、ウエストの平置き寸法、股上、ワタリ、股下、裾幅を確認するのがおすすめです。同じサイズ表記でも縮みや裾上げ、モデルの違いで実寸は変化します。

状態については、股部分の薄れや破れ、ポケット角、裾口、ボタンの欠品、革パッチの傷みを確認します。写真が明るすぎるとインディゴの濃さが違って見えるため、なるべく複数の照明条件の写真があると安心です。

色残りが多い個体を自分で穿き込むか、すでに色落ちが進んだ一本を楽しむかは好みです。今回のように複数の実物を並べてみると、古着のデニムは「同じブランドだから同じ顔つき」ではないと実感できます。

旧ドゥニームを中古で探す

内タグ・実寸・股リベット・色落ちを確認しながら探してみましょう。メルカリで旧ドゥニームを探す →

※アフィリエイトリンクを含みます。

まとめ|旧ドゥニームはタグと実物の仕様を一緒に確認したい

今回紹介したオリゾンティ期W30では、品質表示、Dnmのパッチ、UNION MADEタグ、Dnm刻印ボタン、セルビッジといったディテールを確認できました。さらに、太ももの縦落ちやポケット周辺のアタリから、穿き込まれたデニムならではの表情も楽しめます。

新たに入手した濃紺W29と股リベット付きW30を見比べることで、オリゾンティ表記の個体でも股リベットやポケットタブに違いがあると分かりました。ただし、現段階でその違いを年代やXX・66と直結させる根拠は不足しています。

年代判別は「一つのディテールで決める」のではなく、タグ・サイズ・縫製・当時の資料を組み合わせること。これが、旧ドゥニームを中古で選ぶ際にもっとも大切な考え方です。

今後も実物で確認できた情報を追加しながら、旧ドゥニームの仕様の違いを記録していきます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました